ニュースレターがどんなものかおおよそご理解いただけましたか? ここでは地元福岡でニュースレターを使って顧客コミュニケーション作りに成功した酒販店「エスポアナカムラ」 の中村好宏さんをご紹介します。
−ニュースレターを出すようになったきっかけは?
20年ほど前、まだ酒屋がチラシを出すのも珍しい頃に、僕は売り出したい商品やお中元・お歳暮の案内の手書きチラシを作って、 ご近所に配り始めました。絵や文字を書くことは好きでしたが、その頃のものを今見直してみると、自分でも恥ずかしい出来です。 それでも僕は、商品の紹介と価格にイラストを添えたチラシをせっせと作り続け、最初は不定期だったものを、 15年前から月に1回のペースで配布し始めました。
しかし作り続けるうちに、ただの商品紹介のチラシではマンネリで魅力のないものに思えてきたのです。 そこで、一つの商品だけについてじっくりと書き、その商品にまつわるストーリーを紹介するスタイルに変えていきました。 他の店のチラシや配布物もよく目を通し、研究するようにもなりました。
−商品紹介のチラシから、本格的なニュースレターに変えたのはどうしてですか? また、ニュースレターの作り方はどうやって学びましたか?
僕は、個人経営の酒屋のための勉強会に入っています。全国で約150店舗が参加しているものです。 勉強会の目標は「小さな酒屋として、地域のお客様に愛される店になること」。そのためには「お酒を必要としない人にも、 自分の店を知ってもらうこと」が重要になってきます。そこで僕は、商品紹介だけのチラシから、 自分を知ってもらうためのニュースレターに切り換えたのです。お客様に「中村さんってこういう人なんだ」と覚えてもらうと、 次に会った時には親しく話しかけてくれるようになります。そして、何か用ができた時には、うちの店を思い出してくれるのです。
ニュースレターの作り方は誰かに教わったわけではなく、勉強会での情報交換で「ニュースレターに盛り込むヒントを教えてもらったり、 自分の経験から悟ったりして、今の『エスポアナカムラだより』の形ができあがりました。
−ニュースレターの内容は、どうやって決めているのですか?内容によって、お客様の反応は違いますか?
ニュースレターを作る時に気をつけていることは「意味がわかる内容か」「読みやすい長さか」 「最後まで知りたいと思う面白さか」ということです。B4サイズ二ツ折の中身は、毎号巻頭の「和飲通信」で日々自分が思うことを記し、 あとは「フランスワイン買い付けの旅」や「日本酒が美味い」など様々なコーナーで構成しています。 例えば「買い付けの旅」は連載なので「さて、その味わいは?…つづく」などのように、 次号も読みたいと思ってもらえる工夫を自分なりにしています。また、酒の肴のレシピや飲食店紹介のような食べ物に関する記事は、 お酒に興味がない人にも読んでもらえたり、後から問合せがあったりして、こちらにも反応がわかりやすいですね。
特に「飲食店紹介」のコーナーは、紹介した飲食店と当店の両方に相乗的な効果をもたらしてくれます。 「エスポアナカムラのニュースレターを読んで、来店してくれたお客様がいた」と飲食店の方からも喜ばれるし、 そのお店にうちのニュースレターを置かせてもらうと、そこで読んだ人が、今度はうちにお酒を買いに来てくれることもあります。 こうして、今はおつき合いのある飲食店約20軒に『エスポアナカムラだより』を置かせていただいています。
−ニュースレターを制作するのに、ご苦労はありますか?
現在は3ヵ月間に2号ぐらいのペースで発刊し、一部を飲食店に置かせていただくほかは、 1,000〜1,500枚を近隣にポスティングしています。文章は日常的にちょこちょこと書きためておくようにしています。 最後は2〜3日で作り上げるのですが、いざ、まとめようとした時に、話題がすでに古くなっていることもありますね。 絵を描くのも昔から好きだったので、「4コママンガ」も身の回りで起きた出来事をもとに自分で描いています。 ただ、営業中はどうしても書けない。だから、夜中に一人になって、ニュースレター作りに励みます。
僕の場合、妻がもともとパッケージデザインの専門家だったことが、ニュースレター作りの大きな支えになっています。 僕が書いた原稿を、その場でイラストレーターを使ってレイアウトしてくれます。コーナーのタイトルデザインも、 読み手の目を引くよう工夫してくれます。なにより、やりとりしながら出来上がっていくので、タイムラグがありません。 さらにうちには印刷機もあるので、全工程を自宅で終わらせられるのです。これは恵まれていると思います。
−まだニュースレターを出していない方へのアドバイスがあれば、教えてください。
僕は地域で一軒だけの店を目指しています。大切なのは「あなたの店じゃないとダメ」と言われるようになることです。 ニュースレターはそのためにあります。「下手だから」とか「恥ずかしい」とか言っている場合ではありません。 自分にしか出せない味を出して、自分を知ってもらうことが大事なのです。自慢話よりは、少しズッコけた失敗談のほうが、 お客様に愛着をもってもらえる気がします。
今の時代はインターネットを使った営業もさかんですが、「顔の見えないお客は、いつ逃げるかわからない」と僕は思っています。 お客様とのパイプを太く保ち続けるために、僕はこれからもニュースレターを出し続けていくつもりです。
「エスポアナカムラ」
住所 福岡市早良区祖原28-13
TEL/FAX 092-841-0321
営業時間 9:00〜21:00
定休日 毎週火曜
ホームページ なし
以上がエスポアナカムラの中村好宏さんのお話です。 中村さんも前述したサララの張さんと同じく、ご自分でニュースレターを作られています。 おそらくまだニュースレターという言葉が使われてなかった頃からすでに取り組んでいらっしゃったというお話はビックリしました。 試しては直し、また手を加えては反応を見て変える。きっとニュースレターには「正解」はないのでしょう。 だからこそ、反応を見ながら次回に活かすという取り組み方に「お客様との絆作りの本質」があるのだと感じました。 もちろん、最初から中村さんのニュースレターのようなものを目指すのは難しいでしょう。ですが、とにかく作ってみること。そして失敗しながらも それを次回に活かすこと。これしかないのかもしれません。
ラクパ!はニュースレターを作る皆さんを応援しています。 ニュースレター作りで困ったりすることがあれば、いつでも私たちにご相談ください。
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