毎月初めは映画の話。今月の映画は「シングルマン」。
グッチやイヴ・サンローランでの活躍などで知られるファッション界を代表するデザイナー(らしいですが、私はまったく存じ上げてない)トム・フォードの映画監督デビュー作。さすがに高い美意識を持った方だけに、映像が非常に美しい。
16年一緒に暮らした同性パートナーを交通事故で失った主人公ジョージ(コリン・ファース)。数か月経っても心に空いた穴は埋まらず、結局、自殺を決意します。そして、身の回りを整理し、最期を迎える準備を進めていくわけですが、大学での最後の授業では自らの信条を熱く語ったり、かつての恋人で今は親友の女性とは思い出を語らい合うなど、いつもの日常とは少しだけ違った一日を過ごしていきます。とにかくコリン・ファースの抑えた演技が素晴らしい。
“今日が最後だ”と思うことで、いつもの風景がまるで違ってみえるわけですが、それは映画を観ている私たちにも切なく伝わってくるわけです。日本には「一期一会」という言葉がありますが、まさに同じ日常も、意識次第でまったく別のものに見えるということですね。
そして物語の結末は…。
秋に観るのにぴったりの一本でした。
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