「わざわざ」というお店のことを知ったのは、facebookのタイムライン上を流れてきた記事に目が止まったからでした。

山の上のパン屋に人が集まるわけ」と題されたその記事の筆者は、株式会社わざわざの代表を務める平田はる香さん。彼女が10年前に長野県の片田舎にパンと日用品の店を開いてから今日までの経緯について、経営者の視点で綴った記事でした。(1万字を超える長い記事ですが、とても良い記事です。お時間のある時にぜひ。)

わざわざ

平田さんが一人で「わざわざ」を開業した時の年商はわずか200万円。そこから年ごとに売上を伸ばし、2017年には法人化、2018年にはスタッフも13名に。初年度の売上は1億7千万円を超えています。平田さんの記事には、この9年間に彼女が直面したさまざまな経営課題に対して、どのように向き合ってきたかが赤裸々に書かれてあり、その真摯な姿に刺激を受けました。

平田さんは、ある時期ひたすら経営本を読み、様々な経営パターンを知るうちに「成功した人は、誰もがオリジナルの手法で成功に至った」ということを学んだそうです。それで自社の経営方法も独自のものを考えました。

例えば、組織については、ピラミッド型ではなく、長屋式組織というものです。

日本家屋の風通しの良さや襖で繋がる部屋と部屋をイメージし、誰もが並列関係で仕事ができるようにしています。この組織のキーは「部署間の連携」。自分の仕事が横につながっていることをおのずと意識させるようになっています。

また、給与体系も独特で、入社2年を経過すると給与が全員同じ。彼女はこれを「評価しない人事制度」と呼んでいます。

極めつけは、平田さんがたどり着いた人材採用の方法。

彼女はこの店での働きかたの方針や、経営者である自分の考え方を『わざわざの働きかた』という冊子にまとめ、採用条件を「この本に共感できる人」、書類選考も「この本の感想文を送ること」としたのです。原稿とデザインは平田さん本人、撮影も社内という完全な自費出版です。

わざわざ
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自社サイトで販売したところ、すでに3刷目で、累計6千部を超える売れ行きとなっています(私も購入しました)。

そしてこの方式によって8名が採用されたとのこと。平田さんは3刷の前文で「この採用方式を取り入れたことで、入社前と入社後のギャップがなくなり、早期で退職することがまったく無くなった」と書いています。

S.SonodaS.Sonoda

彼女の記事は、小規模な店舗や飲食店を開業しようとする人にはきっと参考になると思います。。