圧倒的な映像演出から伝わる、戦争の虚しさ―『1917 命をかけた伝令』

映画

このコーナーでは経営や生き方のヒントになるような映画を紹介しています。今回紹介するのは、戦場の最前線に伝令を届ける兵士の姿を描いた『1917 命をかけた伝令』です。

<あらすじ>第1次世界大戦下のフランス。西部戦線では防衛線をはさんでドイツ軍と連合国軍が対峙していた。後退するドイツ軍に連合国軍が攻撃を仕掛けようとしていたが、それはドイツ軍の罠だった。一刻も早く最前線に攻撃中止命令を伝えなければならないが、電話線は切られていたため、残る手段は伝令しかない。その重要な任務を負ったのがイギリス軍兵士のスコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)だった。二人の行く手には、大きな危険と困難が待ち構えていた…。

<コメント>
この映画の公開時に話題になったのが、全編ワンカット撮影したかのように切れ目なく続く映像。一体どんな方法で撮影したのだろうと思わずにはいられません。監督をはじめ撮影スタッフの熱意には頭が下がります。その甲斐あって、全編に緊張感があふれ、自分も主人公と一緒に戦場の最前線にいるような臨場感があります。

作品を通じて伝わってくるのは、戦争の無慈悲さです。主人公たちの進路には、おびただしいほどの死体が重なり、敵国が退却した後には、相手国の食料にさせまいと屠殺された何頭もの牛が転がっていたり…。最前線の数千人の命が1人の伝令によって左右されるということ自体が、戦争の虚しさを表しています。

  • 『1917 命をかけた伝令』
  • 原題:1917
  • 監督;サム・メンデス
  • 出演者:ジョージ・マッケイ/ディーン=チャールズ・チャップマンほか
  • 上映時間:119分
  • 製作国:イギリス/アメリカ
  • 日本公開:2020年2月
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