大企業が導入した、新しい働き方

契約

先日、こんなニュースを目にしました。

電通は一部の正社員を業務委託契約に切り替え、個人事業主として働いてもらう制度を始める。まずは2021年1月から全体の3%に相当する約230人を切り替える。電通では副業を禁止しているが、新制度の適用を受けると兼業や起業が可能になる。適用者は電通社内の複数部署の仕事をするほか、他社と業務委託契約を結ぶこともできる。ただ競合他社との業務は禁止する。電通は「新しい働き方を求める社員の声に応じて制度導入を決めた」と述べ、人件費縮小などリストラ策ではないとしている。

(2020年11月11日付 日経電子版より)

これとほぼ同様の制度は、タニタ(体組成計の製造販売やタニタ食堂で知られる健康サービスの会社)が2017年に導入しています。導入当時、「体(てい)のいいリストラでは」という批判も起きたので、覚えておられる方もいるでしょう。

私はこのような制度改革は今後進んでいくと思っています。

戦後の高度経済成長を支えた要因の一つは、終身雇用制や年功序列といった仕組みでしたが、その弊害として安定志向の人間を多く生み出してしまい、結果、日本は国際競争力を落としてしまいました。

日本が国際競争力を上げていくには、国全体、業界全体といった大きな枠組みでの改革が必要かもしれませんが、もっと小さなレベル、例えば会社単位で考えた場合、その会社が活性化するためには、一人ひとりの社員がいかに能力を発揮できるかにかかっています。経営者的視点で考えるなら、社員一人ひとりが能力を発揮できる環境をつくることが重要になります。

タニタや電通の「大企業と契約しながら個人事業主」という制度は、その社員が〝自分の能力をもっと高めたい、もっといろんな仕事に取り組みたい〟と思えばそれがすぐにでも可能になるのですから、これほど社員のモチベーションを高められる制度もありません。

もちろんマイナス面を考えると〝契約が切れた時はどうするのか〟といった問題もありますが、契約が切られるかどうかは結局はその人の実力次第ですし、いずれにしても定年はやってきます。人生100年時代を生き抜くには、人生の早い時期から独立心を養っておくことは大事なことではないでしょうか。

タニタや電通の制度改革はまだ始まったばかりです。今後これがどのような結果を生み出すか見守りたいと思います。