
最近、調べ物をする時は、Googleよりも対話型AI検索のPerplexityを使うことが増えました。曖昧な聞き方でも、こちらの意図をくんで答えてくれるのが便利です。妻も家庭菜園で困った時はAIに相談し、私よりよほど頼りになる答えを得ています。まあ当然でしょう(笑)。
AIの登場で、消費行動が変わり始めました。以前は何かを買おうとする時、Googleで検索するのが当たり前。だから事業者はいかに自社を検索上位に表示させるかに苦心してきました。いわゆるSEOです。ところが今後は優秀な執事に「私に合うものを3つ選んで」と頼むように、消費者はAIが示す候補から買うことが増えるでしょう。
では、事業者はどうすればよいのか。そのヒントを示してくれるのが、佐藤尚之氏の『AIに選ばれ、ファンに愛される。』です。元電通の広告マンである佐藤氏は、AIDMAやAISASといった従来の購買行動モデルは終焉を迎えると指摘します。佐藤氏が示すのは「AIに選ばれるルート」と「ファンに指名されるルート」の二つです。
AIルートは、誇張した広告よりも、客観的なデータ、利用者の声、独自性、第三者からの評価など、積み重ねてきた事実がものを言います。その候補に残り続けるのは、正直かなり険しい道です。
一方のファンルートは、企業の価値観や姿勢に共感してもらい、長期間にわたって関係を育てることが大切です。
しかも、この二つは別々ではありません。ファンの率直な口コミが増えれば、それがAIの参照する情報となり、推薦につながる可能性もあります。
派手な広告で一度だけ目立つより、正直に商売を続け、お客様との関係を育てる。その営みが、AIにも人にも選ばれる土台になる。そう考えると、AIの到来は中小企業にとって案外、好機かもしれません。
ニュースレターは、ファンルートを耕す道具です。売り込まずとも選ばれる関係を、一通一通、時間をかけて育てていく。AI時代だからこそ、その価値はむしろ高まるのではないでしょうか。
本の最後には、AI時代に起こり得る六つの物語が描かれています。経営者が自社の未来を考えるシミュレーションとして、どれも面白い内容です。
AIに選ばれる準備と、人から指名される関係づくり…あなたの会社ではどこから始めていきますか?