このコーナーでは経営や生き方のヒントになるような映画を紹介しています。今回は、第二次世界大戦後のイギリスで活躍した、実在のドイツ人ゴールキーパー、バート・トラウトマンの半生を描いた『キーパー ある兵士の奇跡』です。
『キーパー ある兵士の奇跡』
The Keeper
<あらすじ> 1945年、ナチスドイツ兵士トラウトマン（ダフィット・クロス）は、捕虜として英国の収容所に送られる。収容所内での彼のサッカープレイに目を付けた地元チーム監督は、彼をゴールキーパーとして採用する。やがてトラウトマンは監督の娘マーガレット（フレイア・メイヴァー）と結婚し、名門サッカークラブ、マンチェスター・シティFCに入団。だが、ユダヤ人が多く住む街で、トラウトマン夫妻は想像を絶する誹謗中傷を浴びるのだった…。
<コメント>
第二次世界大戦直後、戦争が残した傷痕がまだ生々しく残っている時代です。果たしてイギリスのサッカークラブがナチスドイツ兵だった人間をチームメンバーとして受け入れるだろうか…と思ったら、これが実話というから驚きです。当初、トラウトマンを拒絶していたマーガレットでしたが、彼の真面目さに次第に心を惹かれるようになっていく様が丁寧に描かれいて、心に染みます。自分たちを非難する人々に対し「許すより憎むほうが簡単」と抗議するマーガレットの言葉は、今の時代こそ改めて考えるべきメッセージだと感じました。（正一郎）
- 『キーパー ある兵士の奇跡』
- 原題：The Keeper
- 監督：マルクス・H・ローゼンミュラー
- 出演者：ダフィット・クロス、フレイア・メイヴァーほか
- 上映時間：119分
- 製作国：イギリス・ドイツ
- 日本公開：2020年10月23日